「七難消滅護国頌」の版間の差分
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+ | {{Comment|伝教大師最澄の作とされる『七難消滅護国頌』。七難とはこの世における七種の災難をいう。出典により異なるが、仁王経では、日月失度難・星宿失度難・災火難・雨水難・ 悪風難・亢陽難(ひでり)・悪賊難の七つをいう。 | ||
+ | 親鸞聖人は『現世利益讃』で、「山家の伝教大師は 国土人民をあはれみて 七難消滅の誦文には 南無阿弥陀仏をとなふべし」との和讃を作っておられるが、この文書の「依正安穩修念佛」に依っておられるのであろう。南旡阿弥陀仏一行を専修する浄土門を非難する天台宗の衆徒に、汝らの開祖最澄も依正安穩修念佛と仰っているではないかとする意図もあるのだろう。}} | ||
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七難消滅護國頌 {亦名三部畧長講} | 七難消滅護國頌 {亦名三部畧長講} | ||
− | 先五悔 | + | 先五悔<ref>懺悔の礼法。懺悔・勧請・随喜・回向・発願の五段。</ref> |
歸命諸如來 有罪盡懺悔 是福皆隨喜 勸請諸如來 廻向法界藏 | 歸命諸如來 有罪盡懺悔 是福皆隨喜 勸請諸如來 廻向法界藏 | ||
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:大日本國人依正 一切持呪慈悲護 大日本國人依正 | :大日本國人依正 一切持呪慈悲護 大日本國人依正 | ||
:百部鬼神常護國 大日本國人依正 國家隆平人求道 | :百部鬼神常護國 大日本國人依正 國家隆平人求道 | ||
− | :'''依正安穩修念佛''' | + | :'''依正安穩修念佛'''(依正安穩にして念佛を修す) |
:諸法從本來 常自寂滅相 佛子行道已 來世得作佛 | :諸法從本來 常自寂滅相 佛子行道已 來世得作佛 | ||
:諸佛兩足尊 知法常無性 佛種從緣起 是故説一乘 | :諸佛兩足尊 知法常無性 佛種從緣起 是故説一乘 | ||
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国会図書館・近代デジタルライブラリー『伝教大師全集』第四巻 P315~318(画像 176~)より | 国会図書館・近代デジタルライブラリー『伝教大師全集』第四巻 P315~318(画像 176~)より | ||
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2021年9月21日 (火) 23:06時点における最新版
伝教大師最澄の作とされる『七難消滅護国頌』。七難とはこの世における七種の災難をいう。出典により異なるが、仁王経では、日月失度難・星宿失度難・災火難・雨水難・ 悪風難・亢陽難(ひでり)・悪賊難の七つをいう。
親鸞聖人は『現世利益讃』で、「山家の伝教大師は 国土人民をあはれみて 七難消滅の誦文には 南無阿弥陀仏をとなふべし」との和讃を作っておられるが、この文書の「依正安穩修念佛」に依っておられるのであろう。南旡阿弥陀仏一行を専修する浄土門を非難する天台宗の衆徒に、汝らの開祖最澄も依正安穩修念佛と仰っているではないかとする意図もあるのだろう。
七難消滅護國頌 {亦名三部畧長講}
先五悔[1]
歸命諸如來 有罪盡懺悔 是福皆隨喜 勸請諸如來 廻向法界藏
次五大願 讀經
歸命頂禮妙法蓮華經一部八卷二十八品
佛説仁王護國般若波羅蜜經一部兩卷上下八品
金光明經一部四卷一十八品
次頌
- 仰願十方常住佛 諸大菩薩賢聖衆 我今發願除七難
- 願同觀音大悲者 我等娑婆一天下 南瞻部境東方州
- 大日本國四海内 所有一切含識類 龍蛇蟻子至蠕動
- 我今法性爲同法 以大悲心爲根本 發大菩薩眞正心
- 願從今身至菩提 拔苦與樂同諸佛 以無所得大方便
- 自度度他爲願行 我等一乘眞佛子 發弘誓願歸三寶
- 自歸依心淸淨佛 自歸依心淸淨法 自歸依心淸淨僧
- 天災地變願消除 我等一乘眞佛子 發弘誓願歸寶竟
- 自歸依心眞佛竟 自歸依心眞法竟 自歸依心眞僧竟
- 如來至心等正覺 還念本誓悉護國 天災地變願消除
- 我等歸會佛乘敎 一乘妙法蓮華經 金光明經三身法
- 仁王般若五忍法 三部大乘爲根本 内證一切實相敎
- 法性六度無閒修 如理如量無顛倒 大日本國一同法
- 入如來室修慈悲 着如來衣修忍辱 坐如來座觀妙空
- 如是功德盡廻向 二十八天梵釋衆 惡龍惡鬼惡瞋靈
- 還發慈悲廣大心 皆悉一切護國土 天災地變七難等
- 皆悉滅除更不起 十方諸佛哀愍護 大日本國人依正
- 諸大菩薩慈悲護 大日本國人依正 一切賢聖慈悲護
- 大日本國人依正 一切持呪慈悲護 大日本國人依正
- 百部鬼神常護國 大日本國人依正 國家隆平人求道
- 依正安穩修念佛(依正安穩にして念佛を修す)
- 諸法從本來 常自寂滅相 佛子行道已 來世得作佛
- 諸佛兩足尊 知法常無性 佛種從緣起 是故説一乘
- 願以此功德 普及於一切 我等與衆生 皆共成佛道
天下疫癘之時 山家大師作之令諷誦之 天下泰平人民安穩云
原本 江州坂本西敎寺所藏古寫本一卷書者年時共不詳
- ↑ 懺悔の礼法。懺悔・勧請・随喜・回向・発願の五段。
国会図書館・近代デジタルライブラリー『伝教大師全集』第四巻 P315~318(画像 176~)より