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三種の浄肉

提供: 本願力

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十誦律 巻26

佛在 毘耶離城中。有一大將。字師子。大富多錢・穀・帛・田・宅・寶物豐足。種種福徳成就。

佛、毘耶離城中に在しき。一大將有り。師子と字(な)づく。大富多錢にして、穀・帛・田・宅・寶物豐足し、種種の福徳成就せり。

其人本是 外道弟子。於佛法中 始得信心。以好肥肉 時時施僧。

其の人、本(もと)是れ外道の弟子にして、佛法中に於いて始めて信心を得、好肥肉を以つて時時に僧に施せり。

外道以嫉妬心 譏嫌訶責。沙門釋子 正應爾耳。

外道、嫉妬心を以つて譏嫌訶責せり。沙門釋子、正に爾(しか)る應(べ)き耳(のみ)。

人故爲殺而噉。何以故。師子 殺肥衆生。以肉 時時施僧。

人、故(ことさ)らに殺を爲すに噉ふ。何を以つての故に、師子、肥衆生を殺し、肉を以つて時時に僧に施すと。

諸比丘少欲知足 行頭陀。聞是事 心慚愧。以是事白佛。

諸比丘、少欲知足にして頭陀を行ずるもの、是の事を聞きて、心に慚愧し、是事を以つて佛に白せり。

佛以是因縁 集僧。集僧已 告諸比丘。

佛、是の因縁を以つて、僧を集めたまい。僧を集め已りて諸比丘に告げたまへり。

三種不淨肉 不應噉。何等三。若見 若聞 若疑。

三種の不淨肉を噉ふべからず。何ん等か三なる。若しは見、若しは聞、若しは疑なり。

云何見。自見是生 爲我奪命。如是見。

云何んが見なる、自ら是の生の、我が爲に命を奪はるを見る、是の如く見るなり。

云何聞。可信人邊。聞是生故 爲汝殺。如是聞。

云何んが聞なる、可信人の邊にて。是の生は故らに汝の爲に殺さると聞く、是の如く聞くなり。

云何疑 有因縁故 生疑。是處 無屠兒 無自死。是主人惡。能故爲我奪命。如是疑。

云何んが疑なる、因縁有る故に疑を生ず。是の處、屠兒 無く自死無し。是の主人惡なり。能く故らに我が爲に命を奪はんと、是の如く疑ふなり。

是三種不淨肉不應噉。

是の三種の不淨肉は噉ふべからず。

三種淨肉聽噉。何等三。若眼不見 耳不聞 心不疑。

三種の淨肉は噉ふを聽す。何ん等か三なる。若しは眼に見ず、耳に聞かず、心に疑はざるなり。

云何不見。自眼不見 是生 故爲我奪命。如是不見。

云何んが不見なる。自ら眼に是の生の故らに我が爲に命を奪はれるを見ず、是の如く見ざるなり。

云何不聞 可信優婆塞人邊。不聞是生故 爲我奪命。如是不聞。

云何んが不聞なる。可信の優婆塞人の邊に、是の生の故らに我が爲に命を奪はるるを聞かず、是の如く聞かざるなり。


云何不疑。心中無有縁生疑。是中有屠兒家 有自死者。是主人善。不故爲我奪命。如是不疑。

云何んが不疑なる。心中に縁有りて疑の生ずること無し。是の中屠兒家有り自死者有り。是の主人善し。故らに我が爲に命を奪はずと、是の如く疑はざるなり。

是三種淨肉聽噉。

是の三種の淨肉は噉ふを聽す。