賓頭盧突羅闍為優陀延王説法経
提供: 本願力
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適当に訳してみたので乞う修正。
尊者言。大王。我今為王略説譬喩。諸有生死。著味過患。王至心聴。
- 尊者言く。大王、我れ今、王の為に略して譬喩を説かん。諸の生死に有りて、味に著するは過患なり。王、至心に聴け。
昔日有人。行在曠路。逢大悪象。為象所逐。狂懼走突。無所依怙見一丘井。
- 昔日、人有りて、曠路に在りて行かんに、大悪の象に逢う。象の為に逐(お)われる所、狂い懼(おそ)れて走突き、依怙する所無きに一丘に井を見る。
即尋樹根。入井中蔵。
- 即ち樹の根を尋ね、井の中に入り蔵(かく)る。
有白黒鼠。牙齧樹根。此井四辺。有四毒蛇。欲螫其人。
- 白・黒の鼠有りて、牙で樹の根を齧る。此の井の四辺に、四の毒蛇有りて其の人を螫(さ)さんと欲す。
而此井下。有大毒竜。傍畏四蛇。下畏毒竜。
- しこうして、この井の下に、大毒竜有り。傍に四つの蛇を畏れ、下には毒竜を畏るなり。
所攀之樹。其根動揺。樹上有蜜三(五)渧。堕其口中。
- この樹を攀らんとした所、その根、動揺す。樹上に蜜有りて五渧、その口中に堕ちる。
于時動樹壊蜂窠。衆蜂散飛。唼螫其人。有野火起。復来焼樹。
- 時に樹を動じ蜂窠(巣)を壊す。衆(おお)くの蜂は散飛して、その人を唼(ついば)み螫(さ)す。野火の起る有りて、復た来りて樹を焼く。
大王当知。彼人苦悩。不可称計。
- 大王よ知べし。彼の人の苦悩、称計すべからず。
王愁憂厭悪而言。彼人得味甚少。苦患甚多。
- 王、愁憂して厭い悪(にく)みて言く、彼の人の得る味は甚だ少く、苦の患(わずら)いは甚だ多し。
其所味者。如牛跡水。其所苦患猶如大海。味如芥子。苦如須弥。
- その味するところは、牛の(足)跡の水の如し、その苦患のところは猶お大海のごとし。味は芥子のごとし。苦は須弥のごとし。
味如蛍火。苦如日月。如藕根孔比於太虚。亦如蚊子比金翅鳥。其味苦悩多少如是。
- 味は蛍の火のごとく、苦は日月のごとし。藕根(蓮の根)の孔と太虚を比べるがごとし。また蚊子(蚊)と金翅鳥を比べるがごとし。その味と苦悩の多少かくのごとし。
尊者言。大王。曠野者。喩於生死。彼男子者。喩於凡夫。象喩無常。
- 尊者言く。大王、曠野とは、生死を喩え、彼の男子は、凡夫に喩え、象は無常に喩う。
丘井喩於人身。樹根喩人命。白黒鼠者。喩昼夜。齧樹根者。喩念念滅。
- 丘の井は人の身に喩え、樹の根は人の命に喩う。白・黒の鼠は、昼夜に喩え、樹根を齧るは、念念に滅するを喩う。
四毒蛇喩四大。蜜者喩五欲。衆蜂喩悪覚観。野火焼者喩老。下毒竜者喩死。
- 四の毒蛇は四大に喩え、蜜は五欲に喩え、衆の蜂は悪覚観に喩う。野火の焼くは老いに喩え、下の毒竜は死を喩う。
是故当知。欲味甚少。苦患甚多。生老病死。於一切人。皆得自在。世間之人。身心
- この故に知るべし、苦患は甚だ多く、生・老・病・死は一切の人において、皆な自ずからに在るを得る。
世間之人。身心労苦。無帰依処。衆苦所逼。軽疾如電。是可憂愁。不応愛著。
- 世間の人、身心労苦して帰依する処は無し。衆の苦の逼(せま)る所の、軽く疾きは電のごとし。これ憂愁すべし、愛著すべからず。
大王。今我語王。言雖麁悪。実是利益。
- 大王。今、我れ王に語る言(ことば)、麁悪といえども、実にこれ利益なり。
王聞是語。衣毛皆竪。悲喜交集。涕泣流涙。即起合掌。五体投地。白尊者言。我之嬰愚。無有智慧。我之下賤。作斯狂言。如是狂言。聴我懺悔。 尊者言。我於今者。以忍出家。無不忍受。我心清浄。猶如秋月浄無雲翳。王今懺悔。願使大王猶如天帝得見道跡。王大歓喜。与諸眷属。作礼還宮。